東欧の映画『金の糸』/戦争で壊れた過去も「金継ぎ」によって甦る
東欧の映画『金の糸』〜戦争で壊れた過去も「金継ぎ」によって甦る笠原眞弓(C)3003filmproduction,2019岩波ホール(東京・神保町)は夏には閉館が決まっている。そこで今上映されているのは、『金の糸』。ジョージアの映画だ。ジョージア?私がこの映画を観た頃は、今のようなロシアとウクライナの危機は表面化していなかった。ちょうど今のウクライナとロシアのような関係を経て、2008年にロシアから独立した小さな忘れられそうな国である。映画『金の糸』は、その小さな国の対照的な2人の女性の生き方に寄り添ったもの。作家で音楽家でもあったエレナは、娘家族と暮らす。そこに娘の姑ミランダがアルツハイマーになって、本人はもちろん、エレナにも相談なしに、同居するとやって来る。ミランダは社会主義時代、政府の高官で、今も人々に尊...東欧の映画『金の糸』/戦争で壊れた過去も「金継ぎ」によって甦る
2022/03/10 12:36