「栃尾郷の虹」を読んだー歴史を深く下降せよ
三郷の友人である玄間太郎さんの9冊目の小説「栃尾郷の虹」を読んだ。著者の越後時代歴史小説4作目です。先行3作は「起たんかね、おまんた」「黄金と十字架」「角兵衛獅子の唄」です。本作は栃尾村に栃尾縞紬(とちおしまつむぎ)を完成し度重なる飢饉から村人を守ったオヨと生後すぐ別れ別れになった双子姉妹のサヨの織りなすドラマです。なかなか出会わず最後に栃尾縞紬完成と共に出会う二人の運命は数奇でありドラマ性があります。著者の綿密な取材により、機織りや紬や着物の世界が緻密に描かれます。この作品に込めた作者のメッセージはオヨの義父植村角左衛門に言わせた次の言葉です。
2021/04/17 00:07