干し首について

干し首について

「病的」な18組の蒐集家に、ポール・ガンビーノがインタビューした記事と、そのコレクションを撮影した写真によって構成された《死をめぐるコレクション》に目を通していると、ホルマリン漬けの胎児や人体の一部、お定まりのミイラ、頭蓋骨、デスマスク、さらには実際の殺人に使用されたナイフや連続殺人犯が残した手紙など、数々の鮮明な写真の中に、何人ものコレクターが共通して蒐集している「干し首」というアイテムがあることに気づいた。晒し首やミイラではなく、干し首――。写真を見ると、どれもグロテスクで、そこに猟奇的にも美的な要素がないと感じるのは個人的センスに過ぎないとしても、よくもまぁ、こんなものを蒐集したがるものだと半ば呆れてしまう。それも結局は個人の好みのことだから、他人がとやかく言うことでもないが、気になったのは、人間の胴から...干し首について