【アヤフヤナ物事の進め方】
【赤い髪の女ツネ嬢】(19)【魚町通り・トトマチトォリ】微睡むような暖かな日差の真ッ昼間。歩く人影もなく、閑散とした飲み屋街。昨夜の賑やかしが嘘みたいだった。時折。ヨッパライどもが飲み散らした酒瓶を回収する、酒屋の軽トラックが通るだけ。自分。家族の仔をお供に、久しぶりに此の通りを散策した。通りの眺めは、昔馴染んだ昭和の風景じゃぁなく、見知らぬテナントビルで埋め尽くされていた。若いころに見知った店の看板は何処にも見当たらず、知らない飲み屋の看板しか。漫ろ歩きに連れ添う家族の仔。金ハンが歩みを止め、振り返りながら後ろ脚をあげた。舗道並木の根元に少々のオシッコを垂れ、甘えた声でクゥ~ンと鳴く。「キン。ドナイしたんや?」傍に近寄り頭を撫でながら訊く。キン。オシッコをし終えると、はたしの手指を小さな舌でなめる。「喉。渇く...【アヤフヤナ物事の進め方】
2011/06/23 01:49