台風19号の後で
K君の実家が、いわき市の好間川の氾濫により、水に浸かってしまった。一階の部屋が彼の腰ぐらいまで水で溢れかえった。K君の両親に絶望という二文字が脳裏を覆い尽くし体が疲労感と虚無感で一杯になった。彼は、日中、講師として高校で教鞭をとり終業後真っ直ぐ実家へ向かい家の汚れを拭き取ったり後片付けに身を投じた。それだけでなく呆然とした両親を少しでも元気付けようと彼らのそばにいて慰め励ました。K君のお父さんの教え子の保護者たちが懸命に家の片付けと廃棄物の処理に奔走した。そんなみんなの力もあって徐々に両親の不安が小さくなっていった。光が差してきた。K君に自信が戻り安堵の顔もあった。10月29日、三度目の教員採用試験の合格発表があり、K君は合格した❗台風19号の後で
2019/10/30 22:37