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幻想目録 第一分館 https://fantasie-eins.jugem.jp/

立花個人の創作詩&創作短編小説ブログです。本館あり。

本館は「幻想目録」http://nachtisch.jugem.jp/ 日夏との合同企画ブログとなっております。

立花風乃
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住所
つくば市
出身
宮崎市
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2008/02/03

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  • 04.青いキャンバス

    それははっとするほどの深い青。* * * * * あの人のものを初めて見たのは、中学を卒業したその日だった。 あの日、私は式の後に友人と別れて街を歩いていた。目的などなく、ただふらふらとしていた。一人でいたことに意味はない。ただ、何となく

  • 03.君の隣

      いつから、君の隣にいたかなんて、覚えていない。君の隣にいることは、昔から変わらないこと。ずっとずっと、それが続いていくと信じていた。 何も知らない、無知な子供だったね。お互いに。* * * * * 何も言わない空間には慣れてい

  • 自分ではない自分

    ドッペルゲンガーを知っているか。 彼は唐突にそう尋ねた。「ドッペルゲンガー?」 俺は尋ね直した。言葉の意味が分からなかったわけではない。ただその言葉があまりにも突飛過ぎて、それが俺の知っている「ドッペルゲンガー」と同じ意味なのかが分からな

  • 赤が揺れる

      赤が揺れる。 「遠くから見てもすぐにわかるね。」 君がそう言ってくれた。だから、私はいつもこの色を選んだ。 理由なんてない。ただ、君の視界に入りたかった。それだけ。 その日は赤いタータンチェックのスカートを選んだ。歩くたびに赤

  • 02.誰も知らない

    さくらいろの世界で、その人は微笑んでいたのだろう。その後姿だけでも、分かる「幸せ」な時間。羨ましいほどの、明るい世界。 パネルの中の猫は、こちらをじっと見つめている。 ———どうして、私はこの世界に存在できないのだろう。 * * * *

  • 01.君と歩く道

    君の手をとることは許されない。抱きしめることも許されない。 許されていることは、唯一つ。君の隣を歩くこと。 * * * * * その入り口に「生徒会室」と掲げられた部屋は、普段生徒たちが授業を受けている校舎からは少し離れたところにある

  • 連載始めます

    一応、お知らせをば。何年も前に書いていたお話を、連載として始めようと思います。一応目次だけ上げました。見れば分かりますが、全14話の予定です。自分自身、これから忙しい時期に入るのでちゃんと終われるか若干不安ですが…。ただ、きちんとあの子達を

  • 目次

    Obscure Worldはっきりとしない言葉不透明な答えあやふやなままの関係——— 世界は曖昧に満ちている01.君と歩く道02.誰も知らない03.君の隣04.青いキャンバス05.夏の思い出06.望む果て07.終わりは始まり08.君を想う0

  • メイプルの思い出

    ふうわりとした甘いにおいと、忘れられない思い出が私の周りを取り巻いている。 マグカップを置くと、かたり、と音がした。長年愛用しているそのマグカップは、内側が少しだけ茶色く変色している。それでも使い勝手がよくて、つい使ってしまうのだ。新しい

  • 冬の音が聞こえる

    冬の音がする寒さを孕ませた僅かな音が少しずつ近くなる寂しくて切なくてけれどどこか懐かしい触れると溶けてしまう音触れなくてもいつか溶けてしまう音冷えた空気の中でかすかに聞こえる冬の音に独り耳を傾ける少しずつ少しずつけれど確実に冬はすぐそこまで

  • 君との距離/雨

    空と君との間には、なんて歌もあったっけ。 雨の降り注ぐ空を見上げながら、そんなことを思い出した。 別に理由なんてなかった。朝起きて、カーテンを開けて外を見たら、雨が降ってて、その雨がとっても気持ちよさそうだと、そう思った。 だから、今日は

  • remorse

    恋をし続けるためには努力を一瞬たりとも怠ってはいけないことを知った。気の抜けない生き方が嫌になって、恋をやめた。 嫌いになったわけではないの、と告げると、相手は少しだけ疑わしそうな目をして、それから仕方なさそうに目を伏せた。その表情を見て

  • 遠い遠い

    遠い遠い忘れてしまいそうな記憶をきつくきつく抱きしめる何も残りはしないのにただきつくきつく******************************りはびりちゅう

  • 紅い実

    紅く紅く熟れた実を一つ、捥ぎ取ってかぷりと齧り付いた甘い、罪の味がした零れ落ちた涙は頬を伝って消える犯した罪の大きさは******************************本館もですが別館もほったらかしすぎました。ほった

  • 失くした恋

    全て全て消えてしまえばいいのにそれはどこかしこに残っていて気付けばそれを目で追っているここにはいないのにその存在が強調されるかのように私は思い出すあなたをあなたとの思い出を全て全て消えてしまえばいいのにあなたがいた証拠の全て私の中のあなたの

  • 情熱

    真っ赤なドレスを身に着けて舞台の上で軽やかに情熱の歌を聞かせてあげる愛の輪舞を踊ってあげる貴方の為に貴方だけの為に響く足音奏でる音楽真っ赤なフリルがひらひらと舞う貴方の為に貴方だけの為に私は散るまで踊り続ける

  • アイ

    たくさんの愛を君にたくさんの哀を君にたくさんのIを君に世界の全てのアイを君に贈れたら僕は幸せになれるかもしれないのに

  • 記憶

    ほら、と君は笑った。その顔を見て、「顔がほころぶ」という表情はきっとこうやって笑うことなんだ、と思った気がする。まだ雪は降らないけれど、日に日に寒くなってくる季節の頃だった。 ほら、見て、と君は笑った。君の声だけは、温かく耳に届いていた。

  • 空が泣く

    空が泣いていた大きな声を上げて泣いていた涙を落とす暗雲は僕の気持ちに似ていた僕はいつの間にか独りぼっちで空は僕だ、と小さく呟いた空はまだ泣いていた

  • 君を想って

    幾つの夜君を想って眠りに就いただろう幾つの夜君を想って泣いただろう君を想って数は思い出せないけれど君を想って気持ちはいつでも思い出せるあんなに鮮やかだった時間や君が隣にいた幸せはいつの間にか消えてしまったあんなにも笑って過ごしていたのにああ

  • 終わりなのかもしれないね

    まどろむ寸前に君を思い出した君の声を反芻して泣きそうになった君が隣にいることはもうないいつかそのときが来ると心のどこかで覚悟していた知らない振りをしていつも何かに怯えていたその科白が心からのものでないことを君の中に住む誰かは私ではないことを

  • よねんにいちどの

    それは特別な日だ。何よりも特別な日だ。 だってそれは4年に1度しか訪れてくれない。 大切な大切な、宝物のような日だ。 2月29日。 4年に1度の。「おめでとう。」 電話越しにそういうと、向こう側で空気が少し緩んだのが分かった。それを感じる

  • まだ見ぬ春

    深とした空気が張り詰めていたカタリ と何かの音がする天井を見上げて吐き出した息はまだ少しだけ白かったまだ見ぬ遠い春を思う冷えた空気が僕の肌を刺激するこの寒さが終わりを告げるのはいつになるのだろうか僕の心はいつの間にか冷え切ってしまった春が来

  • すきなひと

    すきなひとがいましたほんとうにほんとうにだいすきでそのひとがいればそれだけでよかったのですけれどそのひとはわたしがいなくてもぜんぜんへいきでしたわたしはそれをしったときとてもとてもかなしくなりましたわたしはなんのためにあのひとのとなりにいた

  • あ め の お と

    ぽつりぽつりとベランダが音を立てる冷たい雨が降り続く光は見えない薄暗い雲が光を奪ってしまった冷えた体は熱を思い出せないままだ誰か助けて、と小さく呟いたその声はぽつりぽつりという音に掻き消されてしまったけれどただ濡れた窓硝子が世界を歪ませてい

  • I lost you

    君がいない夜は君を思って眠るよ君がいない朝は君の姿を思い出すよ君がいない道を君を思いながら唄って歩くよそれでも君が戻ってくることはないんだね

  • 紅薔薇と黒の青年

    それは闇に変わる寸前の藍。緑と紅が少しずつ見えなくなってくる、時期に訪れる闇を象徴している。 手を伸ばす。生い茂る緑が私の肌をちくりと刺した。それは心地よいと思えるくらいの、わずかな痛み。 紅い薔薇。深い色をしたそれは、私を魅了し、離そう

  • 空葬

    空を見上げることの難しさを知っている空を見上げることの切なさを知っている全て空に還るのだと幼い頃は信じていた生命も魂も心も、全てだから空を見上げれば今はいないあなたに伝わるとそう信じていただから空を見上げるのが怖かった伝えたいことはたくさん

  • 乙女決戦 前哨戦

    気付いたら世間は2月になってた。 その事実に気付いたとき、私・春田奈々瀬の世界はぐるりと一周して、それから何も考えたくなくなった。目の前のレポート用紙が見えなくなった。 え、ちょっと待って。2月始まったとか嘘だよね。まだまだまだ1月のつも

  • 来冬

    はらりはらり舞い落ちるひらりひらり舞い踊る遠い青色づき終えた葉ただ地を求めてはらり ひらり音は無く冬はそこまで*****************************プリント整理してたら見つけたブツ。どうやら11月だか12月だかに書いたも

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