僕と宴と禁断の夜
愛する人に食べられたい。恋人への想いが行き過ぎている人間の中に、そんな風に考える者が時々いる。傾向として女性に多いようだ。話を聞くと、大概「どんなに一緒にいても愛するあの人と一つになれない」「あの人の血肉になって一体化したい」などといったことを言う。僕がこんなことを言うのも変かもしれないが、食べられて一つになることは幸せだろうか?彼女の座から進んで牛や豚などと同じ食肉になり下がってどうする、と今の僕は思ってしまう。食べられてしまえばもう相手を束縛することはできない。恋人を食べることによって相手はその束縛から自由になるのだから。食われることで一つになると思っているのは食われる側だけで、食った側は新しい恋人を探すに決まっている。食肉に浮気を責める権利はない。むしろ権利放棄の一形態だとすら思う。ならば、いわゆる人喰い...僕と宴と禁断の夜
2009/01/28 02:41