成るならば新型コロナ駆除したしヘリ出動の農薬散布人道と嘱託殺といふ狭間生死を選ぶ権利問はれて写真短歌（農薬散布、生死の権利）
フクちゃんが通せんぼして生ビール蚊遣火や昔名残の煙管立て生ビール、蚊遣火
艶めくや日焼の美女の広告塔くま蝉のしがらみ越ゆる余生かなくま蝉の余生、日焼け
夏盛り心の鍵を忘れずに夏休み恋の深みにご用心夏盛り
顧みる我が来し跡や蝉の穴写真短歌来し方を顧みすれば蝉の穴太く生きたし老いの余年を蝉の穴
人間は考える足？若牛蒡あどけなき園児らの声夏ざくろ夏柘榴、考える足
白団扇これから描く老の途写真短歌老の途をこれから描く白紙に如何なる色がのせらるるやら白団扇
くま蝉のふと鳴きやみししじまかな結末を知りて読む書や梅雨明けずくま蝉、梅雨明けず
花蓮や君が乳房の仄白く写真短歌花蓮の乳房の如き仄白に偲ぶや遠き熱きあの恋乳房
明けぬるも蜻蛉の白川夜船かなよしきりの棲み処あるらし中洲叢とんぼ、よしきり
白鷺の一歩が描く水輪かな写真短歌白鷺の一歩が描きし水の輪の自然に和する刹那の美かな白鷺
睡蓮の葉裏を揺らし鯉一尾写真短歌清濁のありて人の世睡蓮の如くありたし濁池なりとて睡蓮
白鷺のやおら踏み出す一歩かな人の世に清濁ありて未草写真短歌白鷺のやおら一歩を踏み出して止まると見えし時動き出し白鷺、睡蓮
小水を振りて初蝉発ちにけりくま蝉よ悔ひなく今を鳴き尽くせ初蝉
梅雨寒や伝言板に“さようなら”写真短歌愛しても所詮叶わぬ恋のありラストシーンの熱き口づけポスター
美醜など気にしてをらず熱帯魚熱帯魚飼われて生くる幸不幸熱帯魚
老兵の浸る往時や走馬燈写真短歌老兵の栄光の日は遥かして今は静かに静かに休め老兵
冷酒にけふのひと日を締めにけり冷酒や下戸の詠みたる句の美味く冷や酒
綿菓子のやうな初恋ちひろの絵梅雨の夜の狐一家の出入りかな綿菓子、狐一家
恨めしくお岩出さうな溽暑かな喜怒哀楽のもう面倒な溽暑かな溽暑
写真短歌（白鷺、睡蓮の池）
病床の夫に団扇す憂ひかな団扇止めそっと飲み込むあくびかな白といふ色の涼しき団扇かな団扇
紫の雲路なるかな花睡蓮いとはんの人待ち顔の団扇かな紫睡蓮、団扇
写真短歌（同輩、紫睡蓮）
走馬燈巡る現在過去未来走馬燈今ある友も亡き友も走馬燈
写真短歌（懐郷）
青柿や猿蟹因果物語梅雨の田にひそと孵化待つ生命かな青柿、ジャンボタニシ
いとさんの人待つ背なや初浴衣母娘なる三人姉妹さくらんぼ初浴衣、三人姉妹
我が家の任に就きたる守宮かな半夏生道も半ばの夫婦坂守宮、半夏生
写真短歌（七月入る）
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