家庭

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がちゃん、と音を立てて、皿が数枚落ちた。 落ち方が良かったのか、どうやら割れていない。 落とした張本人であるユウジはほっとした表情を浮かべた。 皿を流しに入れたあと、こぼれたスープを布巾で拭き始めた。 皿を落とした音に反応したアキマサは、ユウジのほうを見やった。ユウジが自分で掃除する姿を確認すると、アキマサはすぐに目の前の食事に再び視線を戻した。 食べ残しがなかったことが幸いして、汚れ…