命を賭ける仕事とその遺産
「人生は50年ともいう。もう、いつ命が尽きてもおかしくない歳になった。しかし・・・まだ、自分は人生で成すべき目的を果たしていない気がしてならない。否、自分はその目的を果たすことができるのに、力を出し尽くしていない!」朱印船貿易に成功し、商売、一家を潤わせたにもかかわらず、50歳を前にした角倉了以は日々、自問していた。「今ならできる。前人未到の大事業を!いや、今やらねば、死して後悔を残す。」立ちはだかる断崖絶壁、行く手を遮る巨岩や奇岩、うねり落ちる滝。険しい大峡谷へ挑んだ了以以下角倉一党。岩の除き、川底を掘り、川の流れを変え、新しい航路をつくり、天下人ですらなし得なかった巨大プロジェクトに成功し、和船通行を可能にし、地域を潤わせ、国を潤わせた。あれから413年、昨日も世界各国から2000人の観光客が、了以の作った...命を賭ける仕事とその遺産
2019/09/16 16:21