19.お風呂屋さん ③

19.お風呂屋さん ③

私が温泉施設のフロントに立っていると色々なお客さんが通っていく。二階に行く階段があるのだけど、初めての若い大男のお客さんで、お金を財布に入れようとして、下ばかり見ていて、階段の角で、思いっきり頭をぶつけた。ドォォォンっという音が温泉施設中に響いたので、それは痛かっただろうと思ったが、そのまま暖簾をくぐったところで、早足で、フロントに戻って来て、「ワオッ血が流れてきた。」と頭から血が滝のように噴き出していた。血だらけになるフロント。何事かと思ったが、近くにあったタオルで押さえるように言った。「大丈夫ですか?。」「おしピンが頭蓋骨に刺さって、抜いたら血が噴き出した。」確かに、頭上注意のポスターをおしピンで貼ってあったが、そのおしピンが、頭を打った勢いで、頭蓋骨に刺さって、抜いたら血が噴き出した様子だった。「大丈夫。...19.お風呂屋さん③