二人の国際線CAから、同時に告白されて翻弄する35歳サラリーマンの苦悩。
これからお話しするのは、少し前に実際に僕の身に降りかかった出来事です。大した文才もないので、小説やエッセイなんて気取ったものではありません、ただの日記のようなものだと思って気軽に読んで頂けると幸いです。 2016年11月、ウィーン国際空港にて その日、僕は空港の待合スペースでぼんやり窓の外を眺めていた。オレンジ色に染まった雪が、ナトリウム灯の光で舞い踊る様子はなんだか現実感がなかった。 彩子から最後にメッセージが来たのは10時間も前。「やっと飛べる。空港で待っててね♡」という可愛らしい一文が、ずっと頭に浮かんでいた。 彼女に会うために、僕はフランクフルト空港から1時間かけてウィ
2023/11/09 23:00