ひぐらし
夏の夕暮れ、このごろは夕立もなくからりとしたままでまだ熱い風が頬を攫っていく。目前を歩く恋人は振り返りもせずに、ポケットに両手を突っ込んだままだ。私はその後をゆっくりとついていく。不機嫌というわけではない。けして。ただ、会話の中で歯車がかみ合わなかっただけ。私は後ろ手にバックを握ると俯いた。主張の違いなど誰にでも起こる。恋人同士であっても日常茶飯だ。国と国になれば人の命をかけた争いになるし、災いは...
2024/09/25 11:59
2024年9月 (1件〜100件)
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