21歳で妻子持ちと駆け落ちした私の話 9
船の中で船は、どこか切ない乗り物だと思う。汽笛と煙の尾を引いて、その場をあとにするあの乗り物。甲板から陸を振り返りってさっきまでいた場所が遠ざかっていくあの感覚には、不思議な哀愁というか、どうにも言葉にならない哀惜を感じたりするのだ。そういうなにかしらの魔力が働いてるのだと。ああ、どうかそうだと思いたい。閉ざされたあの空間で「ふと魔が差した」とでも言えれば、まだ救いはあった気がするか
2023/05/27 22:11
2023年5月 (1件〜100件)
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