晩春 小津安二郎
今年の12月は、映画監督小津安二郎(1903〜1963)の生誕120年没後60年にあたる。生誕120年にちなんで、映画館、テレビで数々の特集が組まれています。私も、テレビ、DVDで作品を見直し、蓮實重彦の『監督小津安二郎』を読み、反芻しながら愉しみました。見直した中で、『晩春』と『東京暮色』がとても気になりました。映画の面白さは『東京物語』『浮草』だと思いますが、原節子を双極的に映す、『晩春』『東京暮色』に小津安二郎の”説話論的な構造“の原石が露出しているような気がしたからです。蓮實重彦の「監督小津安二郎」は、『序章遊戯の規則小津的なもの誰もが小津を知っている。ある種の振舞い、ある種の言葉遣い、ある種の視線に接して、人は思わず小津的だとつぶやく。』で始まる。一般的に小津監督を賛美するパターンは、『小津監督...晩春小津安二郎
2023/12/29 22:07