【🏮夜市創作】2-2
「キャバレー?」「そうです、猫猫の紹介で。二日間だけ」「へえ、いいんじゃない? 隣のお店でしょ。オーナーとはあたしも顔見知りだからね。知り合いもきっと増えると思うわ!」 蒸し海老をつつきながら騒さんは笑顔で言った。相変わらず屈託のない人だと思う。 午後七時、キャバレーの開店。この日、俺はオーナーに連れられて劇場の舞台を見学していた。真っ暗なホールの中心に一段上がった舞台がある。そこにチャイナドレスをまとった少女が上ると、酔客に満ちた客席から歓声が上がった。 舞台の上は狭い。客席の視線が一斉に集まる。 真っ白い灯り。ブレス。前奏の後、幼い顔立ちに似合わぬ艶やかな歌声が流れ出す。光の中を、歌妓達は…
2023/05/31 23:30