編集者の読書論 面白い本の見つけ方、教えます 駒井稔
本を作る立場の編集者が書いた読書案内。何しろ書籍に関する知識が幅広い。編集者ならではの視点は、書籍全般の土台の部分から攻めている。海外の図書館や書店、ブックフェアなどにも足繁く通う。欧米では編集者の地位は作家と同等であるが、日本では編集者は黒子あれと当たり前のようにいわれてきた。そのことについて、〈「編集者は黒子である」という抽象性から抜け出して、職業人としての編集者像を明確に提示できるようにすることが私の狙いでした。敢えていまどきの言葉でいえば、編集者は「クリエイター」なのだということを強調したかったのです。〉と書いている。著者は、編集者の資質とは第一級の批評眼をもち、ビジネスパーソンであらねばならないとしている。各章は、次のような項目で成り立っている。Ⅰ、世界の〈編集者の〉読者論、Ⅱ、世界の魅力的な読書論、Ⅲ、世界の書店と図書館を巡る旅、Ⅳ、「短編小説」から始める世界の古典文学、Ⅴ、自伝文学の読書論、Ⅵ、児童文学のすすめ。
2023/06/01 08:49