泥棒
早朝よりの来訪。朝七時、いきなり玄関のピンポンが鳴った。てっきり、昔の稼業の刺客かと思った。魚眼レンズを覗いたものの、なにも映らない。毎度の如くその時間近くまで飲んでいたこともあり、「勝負してやる」と、ドアを開けた。立っていたのは、警察御一行様だった。新年のあいさつか、と思った。いきなり、「なんの話かわかるよな」ときた。過去の、様々な悪事が、一瞬脳裏を過った。一瞬、「あの件か、この件か?」とべらべらと喋りそうになった。どれも、法的にクリアできそうなノリで興したモノばかりだ。例えば「殺し」は別だが…。何かと思ったら、結局は、近所での下着泥棒の話だった。新年早々、そんなのが出没したようで、目撃者の話から、オレがクローズアップされたようだ。笑った。確かに、貧乏している。だが、他人の下着を盗むまでの貧乏はしていな...泥棒
2023/01/10 20:51