同人活動がくれた基盤
『同人活動がくれた基盤』 僕は十八から同人活動を始めた。初めて同人誌を出したのは十九になって少しあとの名古屋コミティア。初めてのことで分からないなりに本を作った。初めてだからと張り切って三種も。それも一冊は成人向け指定の過激な性の物語だった。 売れるかなんて分からなかった。けれど本にしたかった。僕の中から溢れる物を形にして残したかった。けれどやっぱり、多くの人に売れたいと心のどこかでは願っていた。本が売れるということは「あなたの作品にはお金を払うだけの価値がある」と伝えられることと同義だと考えるからだ。 売れ行きは順調だった。全種買ってくださる方、次回も楽しみにしていると伝えてくださる方、サイ…
2020/01/30 19:00