機械仕掛けの弱者男性、夕陽を見る
(この記事は 中曽根アドベントカレンダー Advent Calendar 2021 の20日目の記事です) 機械と化した俺は遂に夕陽を見た。 街が巨大なプラネタリウム状の円弧になって川沿いに広がり、そのバックライトとして、赤い赤い、燃え滾る血脈が、包むように、支配するつもりも無く、干渉すらする気配もなく、ただそこに鎮座していた。 俺は、嘗(かつ)て学生時代、数少ない友人のハマっていた、ともすると、一緒にDVD観賞会なんかをやったアニメに出てくる、1人の女の子を思い浮かべた。 名前はゆずこ。 彼女は赤い目と髪をしていた。特に何かトランザムとかを発動する予定もないのに、設定上そういうパーソナルカラ…
2021/12/18 22:41