銀の匙 のスローリーディング
銀の匙 中勘助1915年(大正4年)4月17日から6月2日まで後編全47回が東京朝日新聞で連載された。本棚の引き出しにしまった小箱の中にある銀の匙をきっかけに、その匙を見つけた幼年期の伯母の愛情に包まれた生活を回想する。灘中学校の国語教諭の橋本武が一冊を3年間かけて読み込む授業を行っていたことでも有名。どこまでできるか分からないが、灘中学に通っているつもりになって、スローリーディングしてみる。私の書斎のいろいろながらくた物などいれた本箱の抽匣《ひきだし》に昔からひとつの小箱がしまつてある。それはコルク質の木で、板の合せめごとに牡丹の花の模様のついた絵紙をはつてあるが、もとは舶来の粉煙草でもはひつてたものらしい。粉煙草が入っていたコルク質の木でできた小箱粉煙草は馴染みが薄いが、鼻の内側の粘膜に付着させてニコチンを...銀の匙のスローリーディング
2019/09/29 12:18