詩のある暮らし、いかがですか

表現

補完する一体化するなんとでも言い表してしずかな夜明け

2019/07/31 06:52

それは

ことばひとつ要らない行為抱き合うものはからだだけじゃないから

2019/07/30 07:00

わたしたち

あなたは貝殻わたしは真珠むき出しの熱帯夜

2019/07/29 07:28

概念

愛という抽象的な概念を具体化するためにあなたをまさぐる

2019/07/28 07:39

決意

性愛の詩を好まないわたしはなにがほしいかなんて言わない絶対に言わない

2019/07/27 07:38

たまに

あなたは時に正しすぎるボート一定の速度で進む海原一定の速度で上がるしぶきつまらないから汗ばんだシャツを脱ぎ捨ててわたしの胸に飛びこんでみせてよ

2019/07/26 07:36

沈黙

ぶどうをつまむあなたの指先がなにを主張しているのかは聞かないままにしておく

2019/07/25 07:34

疑い

からだをはぎとってでもつきとめたいあなたの心の正体ーそこにいるのは本当にあなただけ？

2019/07/24 07:33

夢

あなたにはあなたの夢を見てほしいわたしはあなたの夢を見るから

2019/07/23 07:31

空と果物

空の色は桃色と橙々色の間桃と橙々の間の果物とはなにかしらと考える暇を惜しんでかじりつきたいあなたの首筋

2019/07/22 07:30

新しい日

さあもっともっともっとと腕を広げてマティスの画がわたしを鼓舞する

2019/07/21 07:28

それだけのこと

同じサンダルウッドの香りに包まれるそれだけのことなのにこんなにも明るい朝

2019/07/20 07:27

ここへ

小動物よりも傷つきやすいかもしれないあなたの心を知ってしまったからわたしは針のないハリネズミになって絶対にあなたを傷つけない針は物置にしまっておくから安心して…

2019/07/19 07:25

ひととき

りんごを煮ている間に眺めるあなたの寝顔

2019/07/18 07:23

予感

夏色のお酒を飲んで抱かれたらわたしの中に息づくかもしれない夏の妖精

2019/07/17 07:22

裏腹な

あなたのやさしさがしみ出すあなたの舌が時に憎らしい

2019/07/16 07:20

本性

あなたはわたしの腕をつかんでぶっきらぼうに言い放ったその男らしさをわたしはこなごなに砕いてあなたの中の女々しさを暴き出してみせたい

2019/07/15 07:19

日時

風に綿毛が舞う遠く遠く遠い日の記憶の中にあなたがいるような気がする

2019/07/14 07:17

所属

誰のためでもなく道に咲く葵の完結した美にさびしさを覚えるだってわたしはいつだってあなたのためのわたしでいたい

2019/07/13 07:13

日課

「今日ちゃんと詩を作った？」と問うあなたは詩のことなんか何も知らない

2019/07/12 07:11

だって

わたしが一歩を踏み出せばあなたは半歩下がってあのひとに近づいてしまうならわたしはずっと立ちん坊でいい

2019/07/11 07:09

海

あなたの手をつかんでいればわたしという帆船は転覆しないのかしら 息をするのがおぼつかないくらいあなたに溺れてしまったら？  

2019/07/10 07:23

らしさ

あなたらしさとわたしらしさの狭間で揺れているのは誰の存在 

2019/07/09 07:02

正直

まずいものはまずいと言うあなた簡潔に打ち消される調理時間は半日ほど

2019/07/08 07:14

境界線

自由と無責任のあなたの境界線を測りかねている

2019/07/07 07:12

わたしの

わたしの腕の裏側にあてるのはわたしの歯たしかに女には野生が眠っていて揺さぶり起こすのはたぶんあなたの歯

2019/07/06 07:10

罪と

あなたの優しさを罰する資格すらわたしは持たない

2019/07/05 07:08

夜

あなたへのおもいがあふれてスミノフを飲むんぐんぐと瓶の口から

2019/07/04 07:05

感傷

それはきっと感傷臆病なわたしの憶測ひとりよがりな期待あなたの目がわたしを追っていたなんてことを気のせいにしてみる午後に聴く雨音は結局感傷に過ぎない

2019/07/03 07:03

気分

中華麺にお酢をじゃばじゃばかけたい気分なにもかもあなたのせい

2019/07/02 07:01

だって

土曜日の仕事が終わって衝動的に探すのは泣けそうな映画

2019/07/01 06:58