時間売り

時間売り

「すみません。私の時間を買ってくださいませんか」 街角でみすぼらしい姿で少女は道行く人に力弱く声をかけています。ほとんどの人は立ち止まることすらせず、まるで少女の存在がもともとないかのように通り過ぎていきます。少女はすっかり葉を落としてしまった木々の間を吹きぬける北風に...