光と影
時は長岡京(785年)。 実の兄の手にかかり無実で死した早良親王の恨みから全ては始まった。 早良親王を崇拝する暗い人と対する陰陽師、そして運命に選ばれた一人の少年の物語。 vol.1 延歴四年(七八五年)、早良親王が死去した。 早良親王は兄の山部王(後の桓武天皇)の策略で流刑が決まっていた。早良親王が死んでから桓武天皇は愛する人々を次々に無くし、さらに二十年間もの間、飢饉と疫病、そして洪水が繰り返し起こったため苦しんだ。 やがてそれらは全て早良親王の祟りだと言われるようになっていった。 「もはやこの都はこれまで・・・。」 と、桓武天皇は不吉なことしか起きない長岡京から逃げるように平安京へと移り、そこで一心に早良親王の冥福を祈った。
2019/01/19 18:57