光君の幕引き(幻 源氏物語 中 角田光代訳)
あらすじ 年が明けても光君の悲しみは癒えなかった紫の上との思い出を振り返ったり気心の知れた女房たちを呼んで話したりしているが親しい人以外には会おうとしない夕霧でさえも御簾越しに会う明石の中宮の息子三の宮(匂宮)だけは光君のそばにいる亡くなる前に紫の上が言い残したとおり、匂宮は西の対の紅梅をだいじにしている 春が深くなっていくにつれ心が落ち着かず、何を見ても胸が締め付けられるので山奥に入ってしまいたい気持ちが日に日に強くなる匂宮が、ぼくの花が咲きました。散らないように几帳を置いて帷子を垂らしておいたら、風を防げるのではないのかなというのに対していいことを思いつきましたねとこの宮だけを遊び相手にし…
2021/06/24 09:53