8月のエオルゼア
8月も半ば、東京はうだるような猛暑日の連続で、夏の間は過ごしやすい山梨に戻っていたいと思ったり、まだ休んでいたいという気持ちもあったが、それよりも今進めている企画を進めたい気持ちの方が勝っていた。東京から戻るなり取り憑かれたように仕事に励んだ。日も落ちる頃、ようやく暑さが和らぐ。「お疲れ様です」缶コーヒーが差し出される。伸びた手の先を見ると吉田さんだった。「順調ですか?」おかげ様でと返しながら受け取った缶コーヒーはひんやりして気持ちよかった。「小坂先輩いなくなるの寂しいですね」「いなくなる?」「今月いっぱいで辞めちゃうらしいですよ」聞いてない、そんなこと一言も聞いてない。「なんか、地元、秋田?…
2019/08/31 18:00