先行逃げ切りが信条です。
私は追い詰められていた。 身体は強張り、極度の緊張をほぐそうにも私の意志に反して各部位が軋みを上げる。 ああ…。私は今、運命の歯車に、魂の牢獄に囚われている。 四面楚歌か。 私はあらん限りの力を振り絞ったが、肉の強張りが、軋みが、激痛と言う名の身体反応を返してくる。身体の一切の曇りなき動機から来る主人への反逆であろう。 しょせんは無駄な抵抗だ。空想の中で、意志の刀はもろくもへし折れる。 慈悲はないのか…。 やむなく私は観念し、顔を両の掌で覆い、パンツを脱いだ。 「くくく・・・。」 私の身体に絡み付いた"それ"は、動作にぬめりを加え、這いずってくる。 「こうしてもらいたかったくせに…。くすくす。…
2022/01/26 16:23