がんばらなくていいよ。(最終章 前編)

がんばらなくていいよ。(最終章 前編)

いつもビリッケツ。万年置いてけぼりの人生に意味はあるのだろうか? それからしばらく母親の所に行かなかった。カウントダウンは迫っている。でも 母親の寿命以上に、父親のいる空間にいたくなかった。 何をされるでもないけど、職場にいるような雰囲気だからだ。 休日まで疲れることをすれば、この先、生き残れない。 だから顔を出したくなかった。それが正直な気持ちだ。 別に悪意があったわけじゃない。 そもそも、話したいのは、母親であって彼ではない。しかし、病室にいくと決まって 昼食過ぎの薬を飲み終わった後、副作用で眠っている所で、ほぼ父親との二人になってしまう。 彼女と話ができるのはめったになかった。だからこそ…