挨拶はむづかしい

挨拶はむづかしい

挨拶に関するエッセイだと勝手に思っていたが、何のことはない、丸谷が今まで実際にしてきた挨拶集だった。 しかし、驚くくらい様々な場面で挨拶をしている。作家も丸谷くらいになると[1]、挨拶する機会も多くなるのだろう。かなり色々な人と交流があるのだな、と改めて感心した。明治あたりから始まった(のではないかと思われる)今はなき近代日本文学のサロン文化、というようなものを感じさせられる。 内容そのものは、 特別面白いというものでもなかった。(失礼)きっと「挨拶の名手」は世の中にもっといることだろう。[2]もっとも、字で読んでいるだけで、その場の雰囲気とか語り口調はわからないので、挨拶としてトータルでどん…