映画『愛について語るときにイケダの語ること』のレビューの補足

映画『愛について語るときにイケダの語ること』のレビューの補足

映画『愛について語るときにイケダの語ること』のレビューを文春オンラインに書きました。 bunshun.jp 上記記事に書き切れなかった部分を以下に補足させていただきます。主に映画としてのテクニック面の特徴に光を当てています。 一人の人間をいかに丸ごと複雑なまま提示するか 「池田英彦」という一人の人間の複雑な生をいかに丸ごとそのまま感じてもらうか。この映画はそれを追求している。パラ猥談という断片だけを手早く消費されて終わる人々と同じ轍を踏まないための工夫が二つある。 第一に、映画というパッケージを選んだこと。 本作は全編通して鑑賞されてはじめて意味を成す。センセーショナルな部分だけを見ても決して…