採卵日翌日。 何個受精できたのか、確認の電話をした。 5個あった卵子の内、1個は未成熟卵。 4個の成熟卵を顕微受精にかけた結果、4個共受精したとのこと。 移植の為、2日後にクリニックに来るように言われた。 前にも述べたが、移植は新鮮胚移植と、凍結胚移植の2種類がある。 新鮮胚移植は、凍結せずに分割した受精卵を子宮に戻す。 凍結胚移植は、一旦受精卵を凍結させて、子宮を休ませてから受精卵を戻す。 病院からもらった冊子では、凍結胚移植の方が妊娠率が高いとの統計が出ていた。 この前聞けなかったけど、すぐに移植という事は、私は新鮮胚移植をする事に決まったのだろうか。 2日後、ARTクリニックへ向かう。 …
2018年9月 採卵の日を迎えた。 採卵日がちょうど土曜日に当たったので、会社を休まずに済んだ。 事前の診察で、左右の卵巣に計10個の卵胞があるという事がわかっていた。 10個も採れたら凍結料金がまたかかるな、と凍結料金の計算をしながらクリニックに向かった。 クリニックの受付で、自分の名前が書かれたバングルを腕につけてもらう。 無機質なバングルには、カラフルなペンでコウノトリや花や蝶のイラストが描かれていた。 きっと、クリニックの人が描いてくれたのだろう。 わたしの他にも3人程採卵をする人がいるようだった。 順番に名前を呼ばれ、手術着に着替えて、カーテンで仕切られたベッドに横になり点滴を打つ。…
2018年8月 生理がきたら3日目以内に来院して下さいという指示通りにARTクリニックに向かった。 まずは、わたしの採卵に向けて、排卵を誘発する為の自己注射の説明を受けた。 そして、先生から新鮮胚移植と凍結胚移植の話を聞いた。 新鮮胚移植は、採卵・受精後、凍結せずに分割した受精卵を子宮に戻す。 凍結胚移植は、一旦受精卵を凍結させて、子宮を休ませてから受精卵を戻す。 それは、採卵後に方針を決めるようだ。 話は変わるが、自己注射前に受けたクラミジア検査に引っかかってしまった。 前の婦人科で受けた時は陰性だったのにな。 今回は、血液検査で最近クラミジアにかかった人が上がる数値だけが陽性を示していた。…
2018年8月 ARTクリニックに精子が見つかったという報告をしに行った。 もう一度ここに戻ってこれた事が嬉しい。 旦那のクリニックからARTクリニックまで凍結精子を運搬しなければいけない為、受け入れ日を決めた。 凍結精子は、本人が運ばなければいけないとのこと。 クリニック間は電車で片道1時間、車だと2時間弱かかるが、電車やバスはNGだそうだ。 凍結容器の返却含め、2往復必要になる。 うちは車がない為、レンタカーを借りる事にした。 運搬日当日、精子を受け取りにクリニックへ。 クリニックで旦那の診察を行い、TESE手術時に採取した細胞を検査にかけた結果を教えてもらった。 精子を作る力があるかどう…
手術から帰宅した旦那に、改めて詳しく話を聞いた。 手術は、局所麻酔で行った。 「痛いと思ったらすぐに言った方がいい。 自分は麻酔を追加してもらった。」 と旦那が言っていたので、もしこれから手術予定の方は参考までに。 睾丸を開けて、精細管を取り出し、取り出したものをすぐに確認して精子(細胞?)の数と思われる数字を読み上げる。 この作業を10回ほど繰り返し、手術は終了した。 そして翌日、 採取できた精子については、動いているのもいる為大丈夫だという報告を受けた。 ちなみに、非閉塞性無精子症はちょっと前なら、なす術がないものだったらしい。 ありがとう、偉い人。 術後は、しばらく痛そうではあったが 幸…
2018年7月 ついに手術の日を迎えた。 私は仕事があった為、旦那一人で病院に向かった。 手術は、MD-TESEと呼ばれるもので 睾丸を開き、精細管という組織を取り出すという内容。 お昼に旦那からLINEが届いた。 「手術おわった」 それから、手術時の様子が続けて送られてきた。 精子はいたのかの報告は送られて来ない。 精子がいるか顕微鏡で確認しながら手術すると言っていたので、すぐにわかるはずである。 「精子はいた?」 その一言は打つ事が出来ないでいた。 しばらく手術の話が続いた後に、それはなんの前置きもなく送られてきた。 「ちなみに精子はいました」 突如画面に表示されたその一文を見た瞬間に涙が…
手術まで1ヶ月。 旦那が実施したことは、引き続きサプリとナッツとアセロラジュース。 食事は、私がいつもより少し作る物を気をつけた程度。 あとは、旦那が転職の関係で睡眠時間が増えた。 そのくらいだろうか。 精子が見つかる可能性30% 30%という確率の低さに、見つからないだろうな。 そんな気持ちしか湧かなかった。 親や親戚にはなんて言おうかな、とか。 美味しいものをたくさん食べに行く人生にしよう、とか。 犬を飼いたいな、とか。 そんな事を考えていた。 「精子が見つからなかったらどうする?」 ある日旦那が私に問いかけてきた。 どうするってどういう意味だろう。 2人だけでどのように生活していく?とい…
2018年6月 先日のホルモン検査と遺伝子検査の結果を聞きに、男性不妊のクリニックに向かう。 ここを超えられなかった時点で、全ては終了する。 旦那が診察室に呼ばれ、検査結果を手に戻ってくる。 「遺伝子検査、問題なかった」 染色体異常なし。 良かった。 これで次に進める。 ホルモン検査については、精子を作ろうとしている数値が基準値より高く、 簡単にいうと、頑張ってるんだけど、作れていない状態とのこと。 上からの指示は出てるけど、現場が動かないみたいな感じだろうか。 手術で精子が見つかる可能性は30%と宣告された。 手術については、約1ヶ月後になった。 手術という事で、旦那の実家にだけ先に電話で無…
2018年5月 紹介してもらった男性不妊専門のクリニックは、家から電車で1時間程の所にあった。 二人で電車を乗り継ぎ向かう。 クリニックに着いて、旦那だけが診察室へ。 長いこと待っていると、旦那が戻ってきた。 色々検査をしたようで、わかった事を教えてもらった。 ・精液検査をしたけど、やっぱりゼロだった。 ・精液量とか、睾丸の大きさは問題ない。 ・閉塞性無精子症ではない。 「閉塞性無精子ではない」 つまり、非閉塞性無精子症ということ。 精子の生産自体に問題があるということ。 その言葉から、希望が断たれた気がした。 旦那は話を続けた。 手術をして睾丸を開ければ、精子がいる可能性はある。 でも、それ…
2018年4月 ARTクリニック予約日。 2人でクリニックに向かった。 入った瞬間、前の婦人科と全然違う…!という印象を受けた。 無精子症が発覚した小さな婦人科は、本当に小さくて 小さな待合室に大きいソファーと丸椅子が置かれ みんなそこに小さくなって座っていた。 それに比べ、重厚感あるカウンターに綺麗なお姉さん。 広々とした待合室に、革張りの椅子が間隔を空けて並んでいた。 そして、受付のお姉さんが優しい。 そういうところも大事。 もちろん採精子も完備。 婦人科での精液検査の結果は持って行ったけど、改めて採精と、旦那の血液検査を行い帰宅した。 精液検査、自費負担で5500円なり。 婦人科の時は保…
無精子症がわかってから、旦那はサプリを飲み始めた。 言い出したのは、旦那から。 エビオスを飲むと精液がめっちゃ出るらしい! 本当かどうかはわからないが、調べたら悪いものではなさそうなので購入した。 例え精液が増えたとしても、無精子は無精子のままなのでは? そう思ったが、せっかく自ら調べてくれたのだから水はささないようにした。 その後、亜鉛もいいらしい!! と報告してきたので、亜鉛も購入した。 普段マメではない人なので、毎日きちんとではなかったが、割と頑張って飲んでいた気がする。 わたしも、アーモンドがいいらしいという情報と、ビタミンCも一緒にとるのがいいらしいという情報から、 ナッツとアセロラ…
病院選びって大変だけど重要だよね。 そんな会話を夫婦でした。 ・家から通いやすい ・顕微受精に対応している ・診療日時 この3つに要点を絞って探し、2つの病院に絞り込まれた。 一つは、ARTクリニック 一つは、大学病院 二人とも土日休みなので、 日曜も診察可能という点と、ホームページの様子と口コミを見てARTクリニックに決めた。 少し高そうだなという印象もあったが、納得できる病院で出来るところまでやってダメだったらちゃんと諦められると思い、決めた。 旦那も同じ思いだった。 こういう所で考えの違いが出てくると、話し合いやお互いの妥協点を見つけなければいけないがそういう点ではとても恵まれたと思う。…
無精子症 それが我々夫婦が直面している問題。 一般男性の100人に一人は無精子症、不妊男性だけでみると10人に一人は無精子症と言われている。 そもそも、そんな症状がある事も知らなかった。 精子に元気がなかったり、奇形がいることがあるらしい。 わたしの男性不妊の認識はその程度だった。 二人の親には、心配させたくないという理由でしばらく黙っていることにした。 病院からもらった体外受精の冊子を見たが、なんだかよく分からなかった。 ネットで無精子症について調べると、ダイヤモンドユカイさんが出てきた。 この方も無精子症で子供が何人かいるそうだ。 ダイヤモンドユカイさんは、精子は作られているが、出てくる管…
初めての精液検査は、精子ゼロの結果だった。 病院から帰って、旦那に検査結果を伝えた。 「やっぱり、精子いなかったみたい」 当の我々夫婦は割と落ち着きながら マジかー、という感じだった。 どちらも泣いて落ち込む事はなかった。 わたしの検査については、子宮内膜が少し薄いが妊娠できないわけではないとのこと。 あくまで内診と血液検査の結果なので、手放しでは喜べなかったが、とりあえず安堵した。 そして、旦那の2回目の精液検査を行った。 前回結果を受け取った時に、言われてもないのに「もう一回検査ですよね」と言いながら採精カップをもらってきた。 多分今回は見つかる。 そんな思いも虚しく、やはり精子の数はゼロ…
2018年2月 不妊検査の為、ホームページ上で精液検査がある事を確認し、これまた近くの婦人科を予約。 採精室もない小さな婦人科だった為、初回は私の血液検査と内診を行い 精液検査については後日持ち込みとなった。 そして後日、旦那に採精をお願い。 採精カップは思いの外小さく、旦那はどうやって入れたらいいのか困惑していた。 結果、少しこぼしてしまったと言っていたがとりあえず受け取った採精カップを袋に入れ、お腹の中にしまい一人自転車を走らせた。 精液は冷やし過ぎても温めすぎてもダメという事で、大事にお腹の中にしまった。 病院に着き、採精カップを受付に渡して先生に呼ばれる。 診察室に入ると、先生が顕微鏡…
2018年2月 不妊から約1年。 意を決して、不妊検査に行くことにした。 旦那も「自分も念のため検査しておく」と自分で言っていたので、説得する必要もなく近くの産婦人科に電話を入れた。 「夫も一緒に不妊検査をしたいのですが大丈夫ですか?」 大丈夫との事だったので、予約をして週末に2人で病院へ。 「夫の保険証も要りますよね?」 と受付で確認すると、旦那さんは診察室に入れるけど検査は出来ませんとのこと。 電話で確認したのに…!違う意味に取られたのかな。 私の検査だけでもしてもらおうかと思ったけど、旦那と相談してやはり2人で検査できる所にしようという結論に至った。 今思うと、この選択は正しかった。 →…
まず始めた妊活は、自己流のタイミング法。 基礎体温をつけ、排卵検査薬を使用。 旦那が多忙の為、タイミングを取るのが大変だったけどそれでも毎月1〜2回は排卵前に取れていたと思う。 ところが、全く妊娠の気配がない。 わたしは、不妊の原因がまず間違いなく、自分にあると感じていた。 男性不妊の存在は知らなかった訳ではないけど、うちの旦那はガタイもいいし、見た目的に男性不妊っぽく見えないと言うか 完全に偏見なわけだけれども、とにかく原因は自分だと思っていた。 ところで、タイミング法って本当に大変なんですよ。 きっと、わかっていただける方はいると思う。 毎日基礎体温と、排卵検査薬とにらめっこ。 私の場合、…
結婚して、子供を産んで、子供の成長を見ながら年老いて行く。 そんな生活が当たり前に来ると思っていた。 結婚する前から、子供の名前とか考えたりして。 その名前はないでしょ〜w なんて冗談を言い合ったりして。 でも、その「当たり前」は「当たり前」ではなかった。 そこに行き着く事ができるのかは、これを書いている今もわからない。 まず、私たち夫婦について簡単に。 妻33歳、夫32歳 二人ともいたって健康体である。 2016年に結婚し、9月から同居。 1年ちょっとの妊活生活の後、精子がいないことが発覚。 それでも子供が欲しい。 子供を授かることができるのか、記録を残していく為のブログである。 →■1. …
【目次】 リンク化されていない場合は、記事を開いてから確認してください。 ■はじめに 1. 妊活の始まり 2. 不妊検査に行くことを決意 3. 不妊原因の発覚 4. ②回目の精液検査 5. 無精子症 6. 病院選び 7. サプリを飲み始める 8. ARTクリニックへ 9. 非閉塞性無精子症の診断 10. ホルモン/遺伝子検査結果 11. TESE手術1ヶ月前 12. TESE手術と手術結果 13. 手術の様子と親への報告 14. 凍結精子の運搬 15. 採卵に向けて自己注射開始 16. 採卵手術と採卵結果 17. 受精結果 18. 胚盤胞への到達 19. 移植周期突入 20. 移植当日 21.…
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