私説・倶胝竪指(ぐてい じゅし)

私説・倶胝竪指(ぐてい じゅし)

むかしむかし、中国のあるお寺に、有名な和尚さんと、お弟子の小僧さんが住んでおりました。和尚さんは誰に何を聞かれても、ただ指を一本立てるだけなのですが、その動作を見た途端、誰もがハッと何かに気づいたような顔をして、満足げに帰っていくのです。