遠い日のどこかで。第1章 『予知』

遠い日のどこかで。第1章 『予知』

住み慣れた集合体のゴミ出しの時、 その蝉の最期の鳴き声を聞いた。 多分、いや確実に振り絞った声だったのだろう そしてよく見るとその蝉はひっくり返ったまま 虫が苦手な私は触る事も出来ず、 ここに何の抵抗もなく蝉に触れる可愛い男の子が 居たら、きっと蝉を起こして上げただろうか?...