世界を変えた魚 (越智敏之『魚で始まる世界史 ニシンとタラとヨーロッパ』平凡社新書)
魚が好きだ。刺し身も、焼いたのも、煮たのも。 そんな魚が世界史とどのような関わりがあるのか、知りたいと思った。 帯の煽りがかっこよい。 近代以前、西洋人の主食は肉ではなく、都市の殷賑を、航海の新局面を、自由の精神を、ヨーロッパの近代をもたらしたのは、魚である! 魚である! また、著者の越智氏は歴史畑の人ではなく、専門が英文学、それもシェイクスピアであり、いたるところに沙翁の引用が出てくるのも、この本を手に取った理由の一つだ。 私も英文学科だったので。
山田風太郎の小説作品『甲賀忍法帖』といえば、「能力バトル物」のさきがけとも言える傑作。 2003年には「バジリスク~甲賀忍法帖~」としてせがわまさき氏により漫画化、2005年には同タイトルのアニメ化がなされた。 バジリスク?甲賀忍法帖?(1) (ヤングマガジンコミックス) 作者: 山田風太郎,せがわまさき 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/09/28 メディア: Kindle版 購入: 3人 クリック: 3回 この商品を含むブログ (2件) を見る そんな「バジリスク」の続編が2015年に、山田正紀氏により講談社タイガから出版されていたのを皆さんはご存知だろうか。
第157回芥川賞・直木賞 決定!【※2017年7月20日追記】
芥川賞は沼田真佑『影裏』 (文學界2017年5月号に掲載されています) 文學界2017年5月号 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/04/07 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る 直木賞は佐藤正午『月の満ち欠け』がそれぞれ受賞しました。 月の満ち欠け 作者: 佐藤正午 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/04/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (8件) を見る 芥川賞は候補者を見たときに、 今村夏子さんの『星の子』が最有力かなと思っていたので、少し意外でした。 直木賞を受賞された佐藤正午さんはベテランもいいとこ、選考委員の林真理子さんとほぼ同…
AI普及の、その先 (井上智洋『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』文春新書)
人工知能がもてはやされている。 囲碁とか将棋とかで有段者を負かしているからなのだが、この件について言いたいことがある。 すごいのは人工知能ではなく、そいつを開発した人間だ。 もてはやすのなら人工知能ではなく、開発者である。そして国を挙げて彼らを援助するのが良い。
このたびはこのような駄ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。 今回は本を読む「場所」について、色々と考えていきたいと思います。
色のシャワーを浴びる(加藤昌治『考具』CCCメディアハウス)
働いているとよく同僚から「なんかいいアイディアない?」などと軽いテンションで聞かれることがある。冗談じゃない。いいアイディアをそんな簡単に教えてやるものか。そんなものは私が独り占めし、上司から褒められ、評価が上がり、出世街道まっしぐらなのである。 そんな簡単に、良いアイディアは生まれない。アイディアマンに憧れる、そんな私でもよいアイディアがみるみる湧き出すような可能性に満ちた本が、今回紹介する『考具』である。
ブタによる殺人はいかにして裁かれたのか(池上俊一『動物裁判 西欧中世・正義のコスモス』講談社現代新書)
世界一悲しい象とも呼ばれた象のはな子が、昨年5月に亡くなったことは記憶に新しい。1956年にゾウ舎に忍び込んだ男を踏み殺したことと、その4年後である1960年に飼育員の男性を踏み殺したという二度の事故から、はな子は「殺人ゾウ」の烙印を押され、残りの一生をコンクリートの壁の中で過ごすこととなった。 このような例は世界中にあるはずであり、それは中世のヨーロッパでも同様であった。ただ一つ異なるのは、この時代に動物が殺人を犯した場合、その件について本格的な裁判が開かれていた、ということである。
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