inspired by song 「木枯らしに抱かれて」

inspired by song 「木枯らしに抱かれて」

「木枯らしに抱かれて」木枯らしが吹く風が強い日だった。俺は英徳学園高校部にある茶室に向かっていた。この茶室は家元が入学した頃に建てたものだそうで、なかなか侘び寂びのきいた落ち着く茶室だった。大学へ進学した今でも、こうやってふらりと来ては独りになれる時間を楽しむ。一通り心を落ち着けてから茶室を出ると、いつの間にか陽が落ちかけていた。風が吹き抜ける中を歩いていると、牧野のお気に入りであったあの階段が見...