叙事詩
この世界は混沌虚な響き紛う白髪の光照らされて托鉢の木々が揺れる輝かしい憂鬱なひと時は揺籠の中で拡がって行く騒々しい波風に煽られ涼やかなる湖畔の静寂この手にすくう白水の心地涙に燻る寂れた時間の綾それは永遠の夢路かつての夢に潰えた風の旋律愛猫に唆されその尾に導かれる繰り返される迷宮への路のりそれは何処の風に退廃の香り一抹の不安に駆られこの命黄葉に散る定めに抗えず退廃への一途再び訪れる眠りの瞬間に一抹の不安鮮やかなる色彩に紅葉色めく伽藍はかつての静寂に訪れし夕闇に優艶の湖艶やかな波に揺られ湖沼は震える夜闇の声音微かにそよぐ平穏に釣鐘は鳴り響く叙事詩
2020/05/18 09:13