トランプ相互関税は米国の自転車市場にどのような影響をもたらすか?
日本政府曰く「想定していなかった」トランプ相互関税が発表された。その影響で主要な金融市場が軒並み大暴落した。まさに全世界を経済不況に陥れ、さらにアメリカそのものも不景気にさせるセルフ経済制裁になるかもしれないとも言われる政策だが、はたして狂気の沙汰なのか、冷静な計算がその裏にあるのか。 トランプ「考えるんじゃない、感じるんだ」 さてそんなトランプ相互関税は、自国アメリカの自転車市場にどのような影響を及ぼすのだろうか。そしてアメリカに輸出される日本製の自転車に影響はあるのか? それを予想するための1つの資料として、2024年度にアメリカが世界各国から輸入した非電動自転車についてのデータをご紹介。最大の輸入元はどの国か、日本からの輸入量はどれぐらいかなどがわかる。 情報源:Where the US gets its bikes, and the new tariffs on those nations 2024年のアメリカ市場における非電動自転車の輸入についてのデータ 上の情報源記事で画像になっているデータのうち、重要だと思われる国々についての一部のデータだけ抽出してまとめると次のようになる。 (ベネズエラから石油を輸入している国に対して脅迫的にかけられる関税は除く) やはり中国製と台湾製が圧倒的に多い。そして今回の相互関税によりこうした自転車も価格があがり、アメリカ国民はこれまでよりも高いお金を支払わなければならなくなるだろう。州によってはなんらかの補助金とか出るのかもしれないが。 ただ一部の大都市の街中を除いてアメリカ人が日常的な交通手段として自転車を使うイメージはないので、実際には日常的な足としての自転車市場においてアメリカ国民にあまり大きな影響はないのかもしれない。子供用自転車がメイン? ロードバイクについてはGiantの価格競争力が減る可能性があるだろうか。TrekやSpecializedといったアメリカメーカーはどうなるだろう。 なお先月すでに鉄やアルミ製品については関税が25%増やされた(参考:トランプ政権、鉄鋼とアルミに25%関税発動 報復ならさらに課税)。しかしそうした金属から作られる完成車としての自転車はその対象にはなっていないらしい。 またその25%関税の対象となっている製品であっても、たとえば自転車のチェーン、ローラー台、ケーブル、鍵などは、今回の新しい相互関税の対象にはなっていない。
2025/04/04 12:37