ふぉん・しいほるとの娘(吉村昭)

ふぉん・しいほるとの娘(吉村昭)

ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)■あらすじ長崎に住む楠本滝は、オランダ行きと言われるオランダ人専門の遊女・其扇(そのぎ)。彼女は出島にオランダ人医者として赴任したドイツ人シーボルトの妾となり、やがて女児を産む。日本人とドイツ人の「あいのこ」であるその女児はお稲と名付けられ、やがて日本初の西洋医学を学んだ女医・楠本伊篤となる。■感想本作は上下巻の2冊構成である。まず上巻は非常に面白い。江戸時代...