『桜の季節、とある夜に』
それは四月に入ってからまだ間もない日の夜のことだった。 その日の夜はバイトが入っていたので帰宅時間も遅く、シャワーを上がった頃にはもう時計の針は午前0時を回ってしまっていた。 Tシャツとスエットパンツに着替えた浅倉幸(あさくらさち)は、渇いた喉を潤すため濡れた髪をタオルでゴシゴシと拭いながらキッチンに置かれた小さな冷蔵庫の扉を開いた。「風呂上りは、やっぱこれだよね」 冷蔵庫の中から取り出したのは...
2017/05/28 03:28
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