宝珠
昔ある村に一人のお坊さんがおりました。お坊さんは修行の旅に出る事になり村を出ようとした時、昔の友人とバッタリ出会いました。友人はとてもきたない身なりで、とても貧しそうでした。かわいそうに思ったお坊さんは、これも何かの縁だと思い、友人に今夜ごちそうをしてから翌朝村を出発する事にしました。そして翌朝、まだ眠りこんでいる友人の着物の裏に、少しでも幸せになるようにと、大変高価な宝石を縫いつけてあげました。時しばらくして、修行を終えてお坊さんが村に帰ると、友人は相変わらず貧しい生活をしておりました。お坊さんは言いました。「あの時に、君の着物に宝石を縫いつけておいたので、とっくに幸せな生活をしていると思ったのに・・・」友人はその事に初めて気が付きお坊さんに心から感謝しました。私達も普段たくさんの目に見えない心の宝石を...宝珠
2023/08/21 12:15