披露宴をめぐる多彩なドラマたち 中江有里「残りものには、過去がある」
中江有里さんの書いた小説「残りものには、過去がある」を読みました。ひとつの結婚披露宴を舞台にしたオムニバス形式の短編集です。中江有里さんの作品を読むのは「万葉と沙羅」に続いて2作目です。「万葉と沙羅」は、本を通して二人の若い男女のドラマを描いた物語で、どちらかと言えばほんわかした穏やかムードの作品でした。でも、今回の「残りものには、過去がある」は男女の恋愛模様を中心に描かれていて、シリアスで心に刺...
2022/05/03 14:26