物故した二人/命の恩人・「悲しき熱帯」翻訳者
一人目は遠藤章農芸化学者。東北大学ひと語録によると「世界で一番服用されている奇跡の薬『スタチン』を発見」とある。カビやキノコ6千種の株の中からコレステロール合成阻害剤になる青かび「コンパクチン」を1973年に発見し、1976年学術雑誌に発表した。遠藤博士が所属する三共とアメリカの学者を結集したメルクがスタチン(総称)開発で熾烈な先陣争いを演じた。博士も当然渦中の人となったが、スタチン発見のパイオニアであることは最終的にメルクの学者たちも認めた。構造(分子式)の重要部分はみなコンパクチンと同じだった。遠藤博士の研究成果は、1985年のノーベル生理学・医学賞受賞者ブラウン、ゴールドスタインの「コレステロール代謝の調節に関する諸発見」に用いられた。そして遠藤は、2008年に米国最高の医学賞『ラスカー賞』を受賞し...物故した二人/命の恩人・「悲しき熱帯」翻訳者
2024/12/31 11:19