ボクだけの一輪の花~エリート補佐官子爵令息と平民女騎士のお見合い婚 69 -完結-
別にどうともないただの笑顔だ。 彼の家族やなんなら使用人たちも、貴族家にしては良く笑う人々に囲まれているので、珍しいものではないのになぜか強く目を惹かれてた。 造形的に言えば、デミや彼の姉たちに比べて、可愛らしくはあるがごく平凡な容姿なのに。 初対面――――相手は認識さえしていない初めて見かけただけの女の子の笑顔がひどく脳裏に焼き付いて、胸に沁みた。 彼がこれまで出会った女の子たちは誰も彼も...
2023/07/13 06:00