私の読書体験
小学生時代の記録を詰め込んだ箱がある。通知簿や絵日記帳等と一緒に先生手作りの謄写版刷で小さな表彰状があり「読書感想文優秀賞」というものが三枚ある。本を読むことが苦手ではなかったということだろう。本棚を眺めてみると年代に応じ変遷して来たのが解る。最初に読むことにどっぷり浸かったのは、社会人になったばかりの頃、先輩から勧められた本で「新・水滸伝」と「三国志」であった。どちらも吉川英治のもので、すっかり虜になり「宮本武蔵」等も夢中で読んだ。長編ではあったが、これらの登場人物の魅力、宿命的な人生模様に引き込まれながら、読む楽しさと共に学ぶ楽しさも加わった気がして繰り返し読んだ。ところが、それから暫くして、多く読んだのは一転して短編の心地よさも感じながらのシリーズものだった。仕事に追われ休みも充分とれない頃で北杜夫の「ど...私の読書体験
2021/09/03 12:42