移民の父、工野儀兵衛2
1888年9月5日、カナダ、ビクトリアに上陸。開拓の進んでいないバンクーバーから鮭漁業の基地スティブストンに到着。儀兵衛は松林を切り開き、家を建てた。その頃はちょうど鮭漁のシーズンで、フレーザー河を折り重なるようにして上る鮭の大群を見て、その模様を故郷に急報した。「フレーザー河ノ夏期ノ鮭漁期ニ至レバ魚族ノ群集ハ海面ヲ圧シ未ダ嘗テ我ガ国ニ漁業者ノ見ザル後継ナリ。」と後の文章に書き記している。また、鮭漁に従事するカナダ人たちも少数で、鮭缶詰会社も小規模だが将来有望であるとして、弟、親族、友人を呼び寄せた。翌年になって、村人を次々と呼び寄せた。人々は「つれもていこらい。」とばかり儀兵衛を頼ってカナダにわたり、やがて数百名にも達した。1892年、スティブストンに家屋を構え、増加する三尾村からの渡航者の便宜を図るため、食...移民の父、工野儀兵衛2
2018/08/10 04:30