国家機密 C-63
この記録は行方不明になった記者の手記を元に作成された国家機密である。2018/06/2320時カメ国国境壁付近。我々取材班は最近国境壁の破損が相次いでいるとの情報を聞きつけ現場へ向かった。そこで見たのは、無残に穴のあけられた国境壁「カメリンの壁」(障子)の姿だった。我々は犯人を見つけるべくこの場所に張り込むことにした。深夜2時やってきたのは、謎のカメ。クサガメと思われるこのカメは、周りを警戒しているのか国境壁付近を徘徊した。警戒が終わると、まるで壁を吟味しているかのように近づいた。次の瞬間、壁によじ登ったクサガメは犯行を行った。鋭く尖った前足の爪を、壁に突き刺す計画的な犯行だった。被害を受けた壁の損傷は激しく、一匹のクサガメがやったとは思えないほどだった。クサガメは、まるで作品を眺めるかのように、自分のあけた穴...国家機密C-63
2018/06/24 00:09