その古本屋の店主はポンコツ美大出の気取り屋で、最終団塊世代だった。いい年をこいて、長髪で金輪際似合わぬ髭を生やし、スカしたメガネをかけている。よくアゴが...
Peyote-Agree, Coyote-Angry, Golyat-Hungry
記憶の劇場の帰り道、ふと持ち上げたカルヴァドスの空き瓶の下に「巴里の午睡」とコッペココペリと虹のコヨーテは恥ずかしそうにうずくまっていた。 いにしえの昔、ディネの男たちとアステカの民はコヨーテを「歌う犬」と呼び、いたずら好きの神として敬った。彼らはコヨーテが太陽と死と雷とたばこをもたらしたと信じて疑わなかった。
銀河鉄道のグラマティカ ── 冬の夜、神宮外苑の銀杏並木で銀河鉄道を待ちつづけた少女
ある若い女の独白である。 10年ぶりに『銀河鉄道の夜』を読んだ。10年前の冬の夜。わたしは小学生で、初潮を迎えていて、おまけに人生という得体の知れないも...
No Leaf, No Life./凍った森、ジョージ・ウィンストンのThanksgivingがしみた夜
George Otis Winston III (February 11, 1949 – June 4, 2023)良心の音楽を紡ぎ奏でつづけた者よ。凍っ...
久里浜スタイル ── 夜明けの久里浜の海辺でロドリゴ・レアンの『Ave Mundi』にたどり着く。
2022年11月、ひどい歩行困難に見舞われてからずっと6音による短い旋律が頭の中で鳴っていた。ミニマルともアムビエントとも思える悲しげな旋律。iTunes...
トパンガの夢 ── Green Mileより、8 Mileより、500 milesより少しだけ遠い238,856 miles彼方の約束の地を目指して。
青い月の夜だった。虹の橋の帰り道、ジャンクヤードの戦争の犬たちが道端に置かれたジョゼフ・コーネルの箱から『犬の聖歌』を歌いながら出てきた。ジャンクヤードの...
グリニッチ・ヴィレッジを遠く離れて。マリー・トラヴァースを探して。500 milesを夢見て。
Born in a hotel room, and God damn it, died in a hotel room. E-OMy clothes a...
今夜、宇宙を横ぎって。/銀河鉄道の夜を越えて宇宙の始まりを思いだし、万物は流転することを知る。
Τα Πάντα ῥεῖ. H-E (Fluctuat Nec Mergitur Weeping Philosopher)No man ever step...
なにごともなかったように雨はやんで、なにごともなかったように空は晴れあがる。
「あなたはなつかしいにおいがするから好き。わたしのハートはStop Motionだけど、好きだから、あげる。」そう言って、Stop Motion Girl...
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その古本屋の店主はポンコツ美大出の気取り屋で、最終団塊世代だった。いい年をこいて、長髪で金輪際似合わぬ髭を生やし、スカしたメガネをかけている。よくアゴが...
退院連絡票と投薬説明書を読んでいるときだった。向かいのベッドに横たわるエデンの園から来た大富豪の老人の声を初めて聞いた。老人の声は嗄れていたが、威厳と自信...
村上春樹には双子の弟がいる。村上冬樹だ。村上春樹は4242、村上冬樹は4243。村上春樹/4242と村上冬樹/4243は驚くほど似ていない。二卵性の域を超...
侵しても、灼いても、踏みにじっても、森はいつも静かにそこにいる。世界中が敵にまわっても裏切らず、背を向けず、手のひらを返さないものを探して秘密の森を歩く...
いつからか、エッダ・デル・オルソが歌う『Once Upon a Time in America/昔々、アメリカで』の劇中歌であるエンニオ・モリコーネの...
リトアニアの首都・ビリニュスの郊外に奇妙な場所がある。周囲に人家はない。荒野の中心、小高い丘に無数の十字架が立っている。その数、十万。19世紀前半、ロシア...
BGMはいつもかぐや姫の神田川か赤ちょうちん。昭和の風景生きてることはただそれだけで悲しいことだと知りました。Cosets Minamiいまでも、雨の夜、...
知の巨魁、南方熊楠が描いた「南方マンダラ」は集合知(Big Data)である。
カフカの雪がとけて、グレゴール・ザムザ氏が冬虫夏草に変身変態した年の秋。世界規模の蜘蛛の巣が日本を覆いはじめた。World Wide Web. 1996年...
666は死の数字Barcodeは獣の数字の刻印である。六馬和せざれば造父も以て遠きを致す能わず Jun-Kyo小さな者にも大きな者にも、富める者にも貧し...
タツロー、ユーミン、サザンは1970年代後半から1980年代を生きた者の青春のアイコンだった。ニュウドウカジカ・キッズのたまり場になっていた成金大金持ち...
Shooted by Jukai-Jin人生はラフマニノフの1小節にも値しない。G-Gアダージョ・ソステヌートの死。息は乱れない。常に平均律を保っている...
だれであろうと崖から転がり落ちそうになったらつかまえるのだ。ライ麦畑の捕手。そういうものになりたい。冷たい雨の中、夢の球場の入口で僕は待っていた。銀河系宇...
愛を知らない無敵の闘犬と盲目のピアノ調律師の話だ。悪魔がいる。悪魔の名はディオゲネス・ザ・ドッグ。アメリカン・ピット・ブル・テリア。通称、ピットブル。途轍...
22歳の冬だった。横浜馬車道の映画館。『レイジング・ブル』(マーティン・スコセッシ監督/ロバート・デ・ニーロ主演)のオープニング。モノクロの映像。リングで...
新宿の厚生年金会館大ホールで古謝美佐子の『童神』を聴いてから25年になる。以来、きょうまで聴きついできた。心さびしいとき、うれしいとき、つらいとき、苦しい...
私は大酒飲みである。先祖代々の大酒飲みである。大酒飲みの因子は幾世代にも渡って受け継がれ、遺伝子に深く強く濃く刻まれている。母親は若かりし頃、「ビールの飲...
イリスの卵運び試験に合格し、卵好きどもが画策した鮫島事件を再検証する過程でゾルタクス・ゼイアンを知った。そして、すべての都市伝説の黒幕はゾルタクス・ゼイア...
オイラは黄金のカエルだ。名前なんかねえ。あすの朝一番で旅に出る。北の沼を出るんだ。あてはねえが目的はある。ずっと昔にオイラの前から姿を消した一匹の緋鯉を探...
父が死んだ。1週間前のことだ。米寿目前。大往生だった。縁台の陽だまりで眠るように逝った。いくつもシミの浮いた皺だらけの手には前の日に私が贈った真新しい携帯...
その古本屋の店主はポンコツ美大出の気取り屋で、最終団塊世代だった。いい年をこいて、長髪で金輪際似合わぬ髭を生やし、スカしたメガネをかけている。よくアゴが...