エピローグ

エピローグ

初めて名前を覚えた花があっちこっちで咲いている崩れたレンガの間からぼうぼうの緑壁紙は色褪せてはがれ落ち風の通らない部屋の畳は黴がはびこる太陽の光だけが静かに廊下を移動する街も人も茜色に染まる頃忘れられた過去の舞台では終幕の紙吹雪がいつまでも