山陽本線途中下車の旅【その9】吉備津の釜
吉備津神社の見どころは、社殿だけではありません。拝殿横から旧社務所に向かって伸びる廻廊もそのひとつ。地形に沿って一直線に伸びています。全長は360mあるので圧巻です。建築は天正7年の再建。こんな長い屋根付きの廊下がある神社は珍しいですが、吉備津神社は境内が縦に長いので、神事や祭礼の時に使われたものだと思われます。廻廊をしばらく歩くと、右に伸びる道があります。道の先にあるのは、御釜殿という建物。釜の鳴動によって吉凶を占う、鳴釜神事が行われている場所です。ご祭神である大吉備津彦命が退治した鬼「温羅」の首を埋めた場所とも伝わっており、謎多き神事として古来より有名でした。鳴釜神事に関して、江戸時代に書かれた上田秋成『雨月物語』にも登場しています。私も雨月物語の「吉備津の釜」を読んだ時に初めて吉備津神社と鳴釜神事について...山陽本線途中下車の旅【その9】吉備津の釜
2020/02/01 19:28