第二章 #7

第二章 #7

日暮れ間近の夕日でオレンジに染まった町並みをヨハンは眺めていた。今いるのはいつもの踊り場ではなくアパートの屋上なので、普段より遠くまで見通すことができる。空は夕焼けの色から徐々に紫へと変わりつつあった。特に意味はないが、柵の隙間から脚を出し